「…ま、頑張れや。」


それだけ言い、背を向けた。

大和を見ていると、野球というものがわからなくなる。純粋に野球を楽しむ大和を見ると…。


「なあ兄貴。…その試合、見に来てほしい。俺、頑張って決勝まで残るからさ。8月の終わりに野球部の人でも誘ってさ、見に来てほしい。」



「合宿と被らなかったら、な。」


そう言うと、大和は嬉しそうに笑った。無邪気な笑顔を…オレに向けた。



きっと、いや絶対に大和のチームは決勝まで残るだろうな。


オレの引退後、エースを引き継いだ大和を始め、点を取ってくれる選手が集まっているからな。



野球部の人…か、誰誘うか、な。