「ん~、この肩でよく投げたな。…悠弥のため、だろ?」

「自分のためです。」


「前言撤回。お前やっぱり素直じゃねーな。」


丁寧に包帯が巻かれていく。手当てが終わったという合図に肩を叩かれた。

「ありがとうございます。」


「俺と勝負したいなら、早くこの肩を治すんだな。そしたらしてやるよ。」

「どうして、急に?」


「悠弥にさ、永谷と勝負しろって言われてね。永谷と勝負したら面白いって」



…また借りを作っちまった。


颯太さん家の帰りにグランドに寄ると、みんなが部活をしていた。

甲子園に向けて…練習していた。