「今日はもう終わりにする。明日から、どんどん練習試合していくから準備しとけよ。」
監督の元に集合し、連絡事項を伝えられ一年はグランドの片付けをし始めた。オレはマウンドに行き、整備する。
「明日の練習試合、永谷くんをマウンドに上げるみたいよ?監督は。」
「そうですか。」
すぐ後ろから結城苓那の声がした。
甲子園予選がもうすぐ始まるんだ。この練習試合で結果を残せば、マウンドはオレの物になる。
…誰にも、譲らない。
「…まあ、今のままじゃあきみは無理だろうけどね?」
「何が言いたいんですか?」
「マウンドはそんなに甘い所じゃないよ?永谷くんが思ってるほどね。」


