----バシッ、バシッ。
「ナイスボール!!さすがっすね」
「まあ一応大学でもやってるしね。公式戦は投げられないけど、練習試合では使ってもらえるし。」
「颯太さんはどうですか?今大学四年ですよね?」
「さあ~。本人は何も言わないけどプロには行かないんじゃない?」
颯太さんというのは、結城苓那の彼氏だろう。プロに行かないってことは、今…プロ注目の選手なのか?
「渋谷颯太さん。結城先生の一個上で、甲子園優勝投手さ~。」
オレが何も知らないと勘違いした西条はわざわざ説明までしてきた。
「知ってるよ。お前こそ、何で知ってんだよ?」
「そんとき颯太さんの球受けてたのが俺の兄貴なんだよね~。まあそれ以前に、お前が知らなさすぎなだけ。」
確かに知らなかった。別に興味があったわけでもないし、そんなこと俺には関係ないけど…。


