「おーい皆、集まってくれ。」

監督の一言であんなにうるさかった西条も黙り、グランドへと向かった。


マウンドに立っているのは、監督とキャプテンともう一人…見知らぬ人。

オレ以外の奴も不思議に思っているらしく、ぶつぶつ言っている奴もいた。


「えー、彼女は明日から教育実習生として嶺北高校に来ることになった、結城先生だ。結城、自己紹介しろ。」



「はい。」


結城先生は監督より一歩前に出てふーっと息を吐いた。

「結城苓那です。新馬大学から来ました。約一ヶ月間よろしくお願いします」


軽く頭を下げ、元の位置へ戻った。