八回裏、オレの打順から始まる。
そしてオレの後ろでは大和が素振りをしていた。
「この回、俺と兄貴でチャンスを作ろう。…上手くいけば、最終回に悠弥先輩まで回る」
「いや、この回に一点取りたい」
悠弥に頼りっぱなしじゃダメだ。
「うん。俺に回してよね、兄貴」
「ああ」
バッターボックスに入る前、投球練習中の上総に目をやる。
球種は、スライダーとフォークとスローカーブ、普通のカーブにチェンジアップ、そして150キロを超えるストレート。
このピッチャーからヒットを打つのは簡単じゃない。
…どうやって攻めるか。
ベンチを出る直前に、悠弥はオレにこう言った。
「俺がセフティーした球はスローカーブだった。追い込まれてたら、絶対にスローカーブを投げてくるよ」
と。


