ベンチに戻ると、大和が心配そうに近寄ってきた。 「交代だよ。…悠弥先輩は?」 「さあ。もうすぐ帰ってくんだろ」 先にマウンドに向かい足元を馴らしていると、少し遅れて悠弥が来た。 「悪い、遅くなって」 「随分長いトイレだな」 「まあ、ね」 何事もなかったように振る舞う悠弥を見て、決めた。 …オレは何も聞いてない。 「この攻撃を凌げば、再興が点を取るチャンスはあと一回。九回だけだ」 「延長は?考えてねーのか」 「もちろん。東が抑えて、俺たちが援護して、九回には決着をつける」 「…了解」