やっぱり、どっか怪我してんのか?
「とりあえず、見せて。応急処置とかしてもらう必要があるでしょ。…って、この指で受けてたの…?東くんは、このこと知ってる?」
「知らないよ。知ってて手加減されるのだけは、嫌だから」
「…とりあえず、これでなんとかなるはず…ならないか。痛み止めは飲んだ?」
「さっき。そろそろ効く頃だと思うんだけど」
「俺には…理解できなくもない。甲子園、すぐそこだもんな」
なあ、オレはどうすればいい?
この場に出て行って、悠弥を止めるか?
でもそんな権利、オレにあるのか?
今、オレが出て行ったって何も変わりはしない。
それなら、一層……
オレは足音をたてないように、その場から立ち去った。


