「バカにしてませんよ。ただ…不思議に思うんです。俺は本当に…」

---カン


金城の声は金属音にかき消された。

悠弥が打った球は、三塁手前にポンポンと転がった。


--セフティーバント。

俊足をいかして、内野安打。


「…まぐれだ」

「金城、認めろ。悠弥はお前より上手いよ、きっと」


女だとか、性別なんて関係ない。

オレはそれを悠弥から教わったんだ。


「俺は…神風先輩がキャプテンで良いって思える。いつも、後輩に混じってグランド整備したり、一番最後まで残って練習したり。一番努力してるよ、きっと」


「…俺も」