確かに、神風さんの働きかけで女も甲子園に出場できるようになった。
いずれはプロにも行けるかもしれない。
……でもそういうのを目指すのは、悠弥や結城苓那のようなタイプだけかと思っていた。
「あたしぃ、姫川美優って言いますう~。美優って呼んでくださいね?東先輩♪」
何が東先輩♪だよ…。
「…悪いけど、オレ、女を名前で呼ばないようにしてんだわ。あと、名前で呼ぶな。馴れ馴れしい」
「わかりましたあ」
わかってるかわかってないかわからない返事をしたあと、すぐにどっかに行ってしまった。
「あの…」
「まだ何か用事?」
姫川だと思い不機嫌に言うと、そこに立っていたのは悠弥だった。