「甲子園に連れて行った時、もう一度想いを伝えさせてください」 そう言い残して大和くんは帰っていった。 大和くんの気持ちが嬉しいと思ったのは、やっぱりおかしいのかもしれない。 俺は…なんのために…… なんのために、嶺北に来たんだ? 東の球を受けるために…。 東が待ってくれないんじゃない… 俺が未熟なだけじゃないかって…。 そんなことが頭をよぎる。 ---甲子園まで一週間。 俺は絶対に、あの舞台に立ちたい。