「俺が甲子園に連れて行きます。先輩の最後の夏に、俺の球を…甲子園で受けてくれますか?」 「うん、…もちろん!!」 素直に嬉しかった。 泣きたい訳じゃないのに、涙が溢れ出してくる。 「悠弥先輩…?」 「ごめん…。うれし涙だから…」 東の球を受けるために、このリハビリを頑張ったんだ。 お父さんがくれたチャンスを、無駄にしたくなかった。 …甲子園で、東とバッテリーを組むために。 でも…どんなに頑張っても、東との差は広がっていくばかりだった。 …東は待ってくれない。