「何がおかしいんですか」

「ほんと苓那に似てる。苓那も俺達と野球するときは男みたいなんだ。悠弥くんって呼ぶのはヘンだし…悠弥って呼ぶよ」


「あ、はい」

悠弥と呼ばれて一瞬、ドキっとした。呼ばれたというよりも、加賀さんの笑顔が眩しくて…。


「年が明けたら、試合出れるようになるんだろ?しかも初試合が甲子園か~」

「いや、でもまずはレギュラーにならないと甲子園には出れません。」


「まずは怪我を治すこと、だよ」



なんで俺の怪我のことを知って……


「怪我のこともキャプテンだってことも聞いた。辛かったら弱音吐くことも大事だかね?」



スッと頭に手を置かれ、優しく撫でられる。その手があまりにも温かすぎて…、勝手に涙が流れた。