帰り道、いつも居る悠弥は居なくて大和と二人で歩いている。

悠弥のお父さんが悠弥を病院に連れて行ってくれるみたいで、オレ達はそこから二人で帰ることになった。


「兄貴、俺と悠弥先輩の話聞いてたよね。さっきの」


「ああ」

「そっか。…兄貴は、悠弥先輩に告らないの?」


「…ああ」



突然、大和がオレの胸ぐらを掴んだ。


「ふ…ふざけんなよ……。悠弥先輩が兄貴を思ってる。兄貴も悠弥先輩を思ってる。…なんで、言わなねえんだよ……」


「………ごめん」

大和の言葉に思わず謝ってしまった。


「謝まるなら…ちゃんとしろよ」


「わかってる。…甲子園行くことが出来たら、言うから」

「こうなったら。兄貴からエースナンバーを奪うから。もう兄貴の後ろを行くのはいやなんだ…。同等に見て欲しい」



初めて聞く、大和の気持ち。そんなこと思ってるなんて知らなかった。


「臨むところだ。…奪えるもんなら、奪ってみろ。オレから取るのは、だいぶ努力しないと無理だと思うけど」


「もちろん。…勝つから」

日が落ち掛けている空を背景に、お互い拳同士を合わせた。


甲子園、絶対行くさ。


---悠弥と一緒に