その笑顔を見ていると、大和の言葉を思い出した。


『それを好きって言うんだよ、兄貴』

……やっとわかった。


オレは悠弥のその笑顔が好きなんだ。

最初悠弥に初めて会った時は、その笑顔が嫌いだった。


オレに持ってない物を持っていすぎて……。



---人の輪の中に入る事

---笑顔


でも今は、この笑顔を失うことが怖い。



…何があっても、この笑顔をそばに置いておきたい。悠弥を……。


「や……永谷!!」

「ん?」


「急に黙り込んで、どうしたんだよ」

「別に。つーか、明日は練習来るのか?お前が居ないと意味ないだろ。」


「行くよ、もちろん。永谷の球、捕れるのは俺しか居ないからな~」



この時は気付かなかったんだ。

悠弥が父親に出された条件が、あったことを………。