悠弥の家はだいぶ遠いらしく、着いた時には学校を出てから一時間かかっていた。


「お前ん家、オレん家の校区じゃなかったのか?」

「それは楓ちゃん家。俺のいとこなんだ。ここがほんとの俺ん家だよ」


チャイムを鳴らすと、中から若い女の人が出てきた。

「悠弥~♪久しぶりね~おかえりなさい」

「ただいま。お父さん、居る?」

「書斎に居るわ。あなたが東くんね?あなた達も入って?」



オレと大和も部屋に招かれ、書斎へと連れていかれる。


「兄貴」

「ん?」


「俺も出来ること、するよ」

「…ああ。」



ふーっと深く息を吐き出し、書斎の扉をノックした。