オレと同じ高校なんて、来る必要ない。


「兄貴だって無名校の嶺北に行っただろ。俺は嶺北に行って兄貴とエースナンバーを争いたいんだ」

「神風は女だ。…女は試合に出られないのに、そんなやつとバッテリー組んでどうするんだよ」


「試合に出られるかもしれないだろ。とにかく俺は嶺北に行く。嶺北からも誘われてるんだ。監督に返事しとくよ」



自分の意見をいっこうに曲げようとしない大和に何を言っても無駄だな…。


「…勝手にしろ」



大和とエースナンバーを争うなんて、考えもしなかった。


大和が嶺北に来るなんて…、大和のせいでオレの本当の気持ちを知る事になるなんて想像もつかなかった。