その声に反応し、
僕はうっすらと目を開いた。


見上げると、
人間の女の子が僕を眺めている。


「にゃん、にゃん。」


そういい僕に向けて
伸ばされた、手。



僕の手とは違って
大きく、そして綺麗な手だった。



僕はそれを
びくともせず、眺めるだけだ。

動く力なんてないし
僕に触ったら綺麗な手が
汚れてしまう。


きっと、この子だって
そんなの嫌に決まってる。

そう、目を逸らそうとした時
彼女は自分の着ている上着を
脱いだ。





そして、僕を両手で拾い上げ
僕の体を包むように
上着に包んでくれた。