「ごめんなさい。ごめんなさい」




 知哉に抱きしめられる。



 涙は止まらなくて、溢れてきて。




 知哉ちゃんの肩越しに、衝撃の走る、傷ついた表情で泣き崩れる花音ちゃんを見た。





 ごめんなさい。






「…ねぇ、可愛?……俺はさ、平気だよ。父さんの暴力なんて大した事無い」





 それに、と息を吸って言う。





「可愛は大事な女の子だから、心配して欲しくない」






 愛されてる…と思っても良いのかな?



 愛してる…と言ってもいいのかな?




「あのね、知哉ちゃん」