「早い…ね」 胸の奥がキュゥンって鳴る。 私の声に、気持ちに、答える様にグレーっぽい目と髪が振り返る。 「可愛は相変わらずアホだね。後で反省文書かされちゃうね」 低く澄んだ声に身体の下側から何かが込み上げる。 「…っ!」 亜々人の目の前まで近づいて手を取る。 「……ねぇ、良い?」 待ちきれなくて、両手で亜々人の右手を握り締める。