「俺より……?」 少し躊躇った言葉は、あまりにも簡単に可愛の耳に届く。 少し驚いた顔をして、俺を見つめる。 「知哉ちゃんと亜々人の好きは違うよ」 驚いた。 お互い驚いた顔。 何も言えない。喉の奥がカラカラに干からびて。 「…あの…ね。知哉ちゃんと私は付き合っちゃいけないの。いけないって決まってるの」 可愛が、小さな子供に言い聞かせる様に話す。 あのねって、何度もしゃくり上げるように言う可愛の頭の中はきっと今グシャグシャなんだろう。