「ねぇ、亜々人って甘い物平気?」




 眠気の残ったままの俺の目には眩し過ぎる可愛の笑顔。




「え…?あ、うん。好き」




 ヘラッと笑った可愛の笑顔に、思わず頭の中で阿山が浮かんだ。


 首を小さく振って頭の中の阿山を消し去る。




「あのねー。今日私のクラス調理実習だったんだ!」




 それでもやっぱりヘラりと緩んだ笑みを浮かべるから、阿山が浮かんでくる。



 そんな俺を不思議そうに見上げる可愛。




「亜々人…?まだ眠い?」




「え、いや。平気」




 口元と目を緩めただけのワザとらしい笑みを浮かべる。