「これさ、可愛がくれたんだよな。中3の俺の誕生日に。嬉しくてさー。センス悪い可愛がこんなカッコイイのくれるなんて」




 知哉ちゃんのからかい混じりの言葉に顔が赤くなる。




「ちょ、ちょっと…っ!センス悪いって…!」




 いつものヘラヘラした笑みじゃなくて、大人っぽい笑みを目一杯浮かべて笑う。




「だから、きっとこれは可愛が一生懸命選んでくれたんだろうなって思ったんだ。…そしたらスッゲー嬉しくなってさ」




 その頃の事が頭の中でフラッシュバックする。



 本当に知哉ちゃんの言う通り。



 知哉ちゃんは何でもお見通しなんだろう。



 …じゃあ、知ってたかな?気づいてたかな?



 


 あの頃の、私の知哉ちゃんへの想い……――