それでもキミを



「い…いやぁ、別に?…ありがとね」



平静を装いつつ、そう言い自分で立とうとした。



…が。




栗原がニヤニヤ笑ってあたしを離そうとしない。




「…あの、離してくれます?」



「…嫌。」


「そんなこと言われても困るんですけど…」



…どうすればいい?


栗原に支えられ、顔が至近距離なんで、自分で立とうとしても、立たせてくれない栗原くん。



この状況。