「ば…バカにしないでよ!」 「じゃあ、何がいいんだよ?」 「………」 沈黙…。 10秒くらい考えて、あたしは答えた。 「…あれ。」 栗原はあたしの指の先を見ていった。 「…あれなら大丈夫…。」 「…じゃあ、あれに決定!」 栗原はニコッと笑ってあたしの手をとった。 …何勝手に手ぇ繋いでるのよ。 …でも離したいとは思わなかった。