「違う違う!」

店の地下室でおやっさんの怒鳴り声が響く。

「扱いが雑なんだよ、トオルは!もっと丁寧に魔力を両手で保持しろっつってんだろうが!」

額に青筋まで立てて、おやっさんは僕を怒鳴った。

ようやく形にまでなってきた魔力の塊を、水晶の中に入れようとした瞬間、魔力が弾けて消失した。

これでもう8回目。

なかなか僕は魔法エンジンの製作を成功させる事が出来ないでいた。

はじめからうまくいくとは思っていない。

おやっさんと同レベルの魔法エンジンを作ろうなんて、そんなおこがましい事は考えていない。

だけど、何とか形だけでも完成させる事が出来ると思ったのに…。