Maidoll Factory

男性は、結局アリシアちゃんの魔法エンジン移植は断念した。

再び目を覚ましたとしても、それがアリシアちゃんの『魂』を持たないメイドールでは意味がないのだ。

「お客さん、提案なんだが」

おやっさんが言う。

「このメイドールファクトリーには、ちっせぇが裏庭があってな…そこを、寿命を終えたメイドール達のセメタリー(墓地)として提供してるんだ…既に10体ほどのメイドールがそこで人間同様の埋葬をされて、きちんと墓も作ってある。ちょっとばかり金は貰わなきゃならねぇが、そこなら娘さんも独りぼっちじゃねぇから寂しくねぇし、折を見てお客さんも墓参りに来れる。値段も魔法エンジンの移植に比べたら、うんと安くつくしな。どうだい?」

その言葉に、男性はまたジワリと涙を浮かべる。

「本当に…この店の方達はいい方ばかりだ…お金儲けの為なら、アリシアの人格など無視して魔法エンジンを移植した方がずっと儲かったでしょうに…」

「馬鹿言うんじゃねぇよ、お客さん」

おやっさんがニッと笑った。

「お客とメイドールの笑顔が見たくてやってる商売だ。オマンマ食えるだけの儲けがありゃあ十分さ」