Maidoll Factory

それからどれくらいの時間が経過したのだろう。

泣くだけ泣いて、涙するだけ涙して。

「…………」

涙と鼻水でクシャクシャになった顔を上げ、男性は溜息をついた。

「申し訳ありませんでした…店内で取り乱してしまいまして…」

「いえっ…あのっ、これでよろしかったらどうぞっ」

るちるがハンカチを男性に差し出す。

「あ…有り難う、お嬢さん…アリシアも気が利く、お嬢さんのように優しい子でした…本当にいいメイドールを造っていただいて、感謝しています」

そう言って男性は、るちるに泣き笑いのような表情を見せた。

「お客様」

僕は男性に語りかける。

「僕らの力が足りないばかりに、本当に申し訳ありません…ただ…アリシアちゃんはメイドールとしては短い生涯だったかもしれませんが、お客様ほど心から愛してもらえるご主人様…いえ、お父様に引き取っていただいて、本当に幸福だったと思います。アリシアちゃんは満ち足りた5年間を過ごせたと思うんです。でないと…」

僕はメンテナンスベッドで安らかな寝顔を見せるアリシアちゃんを見る。

「こんな幸せそうな寝顔は見せられませんから」