ある晴れた日の事。

受注したメイドールの造形を終え、僕は額の汗を拭いながら壁の時計に目をやる。

正午を3分ほど過ぎた辺り。

作業もひと段落して、僕は工房の休憩室へと向かう。

一時間ほど前に、るちるに昼食の買い出しを頼んでおいたのだけれど、まだ彼女が帰って来た様子はない。

一体どこまで買い出しに行っているのだろう。

これでは食事も取れやしないのだけれど。

仕事の疲労と空腹で、僕の腹がキュウンと寂しげな声を上げる。

と。

「ただいまぁ~」

工房のドアを開けて、るちるが帰って来た。