Maidoll Factory

「あの、おやっさん…」

「うるせぇ!」

地下室に入って名前を呼んだだけなのに、僕はおやっさんに振り向きもせずに怒鳴られた。

「今重要な工程中だ。話しかけるんじゃねぇ」

そう言ったおやっさんの肩越しに、蒼白く淡い光が見えた。

まるで水中に差し込んだ太陽の光。

ゆらゆらと揺らめき、何だか頼りなげにさえ見える。

おやっさんはその光を固定するかのように、両手をかざして懸命に保持しているようだった。

あれは両手に魔力を集中し、淡い光が霧散しないようにその場に留めているのだ。

無造作にやっているように見えて、高い技術を必要とするらしい。

「よーし、いい子だ…もうすぐ形にしてやるからな…お前さんはみんなに望まれて…愛されてこの世に生を受けるんだ…みんながお前さんの誕生を待っている…ほぉら…」

額に珠のような汗を浮かべ、おやっさんは固定した淡い光を、傍らに置いてあった水晶のような拳大の宝石の中に封じ込める。

慎重に、慎重に、まるで赤子の体を優しく優しく扱うように。

最後に、凍えた子供の手を温めるようにギュッと握り締めて。

「ふぅっ」

溜息をつくおやっさん。

宝石は、蒼く輝くサファイアのように生まれ変わっていた。

宝石の中で蒼白い炎が揺らめいているようだ。

…魔法エンジンの完成だった。