Maidoll Factory

魔法エンジンは繊細且つ高い技術を必要とするパーツで、人形技師でもほんの一握りの者しか組み立てられない。

それ故にメイドールファクトリーでは、魔法エンジン専門の職人がいる。

それが。

「おやっさん」

この地下室にいつも閉じこもっている白髪頭の男性だった。

本名は知らない。

通称『おやっさん』。

ロイド眼鏡をかけた60代の男性で、僕と同じ…しかし相当に年季の入った汚れた白のツナギに黒い前掛け、穴だらけの軍手を身につけている。

このメイドールファクトリーの創業者であり、昔は天空宮ラボラトリーの所長を務めていたという噂さえある。

今でも時々技術指導を受けに現役の天空宮ラボラトリーの所員さんがおやっさんに会いに来るのだから、その噂は信憑性を帯びていた。