「―――僕が、力になるから。夜を無くすなんて、無理だけど」


そして、妹を抱きしめて背中を撫でて。ニッと笑って。


「怖い夢も楽しい夢も、一緒に見よう。もし、またオオカミが出てきたら僕がやっつけてあげるから」




妹は、僕を見た。


「………じゃあ、こわくないね。二人ならこわくない」


やっと笑った、妹は僕にくっついたまま目を閉じた。