そんなわけで、

動物園にやって来た私たち。


休日ということもあって、動物園は家族連れやカップルがいっぱいで賑わっていた…。



「神崎〜、早く行こう!!

私キリン見たい!」

早く行こうと急かす私に、神崎は呆れながらも付き合ってくれた。



「普通、順番に回るもんだろ」


「だって、キリン見たいんだもん!」


「…仕方ない奴だな、行くぞ」


そう言って神崎は私の手を引いてくれた。

いつもなら嫌味の一つでも言ってくるところだけれど、今日の神崎は機嫌が良いみたいだ…




「神崎〜!

見て!ゾウだよ!!おっきいね!!」


「見ればわかる」


キリンの場所へ行こうと張り切っていた私だけど、途中に見えたゾウに足を止める。

ゾウに嬉しくなって声を上げると、神崎からは呆れたように笑う声。



「キリンが見たいんじゃなかったのか?」


「うっ…、

でもでも、ゾウも好きだし、見たかったし…」



私は言い訳をしながら、また神崎に馬鹿にされると思った。

しかし、
神崎は私の頭をぽんと軽く叩いただけだった…。