…2人で並んでしゃがみ込んでリスを見ていると、
ふいに隣にいる神崎と目と目が合った。
顔が近くて、今にも鼻先が触れそうだと感じたその時…、
ちゅっ と、可愛いリップ音を鳴らしてキスされた。
「〜〜っ!?」
びっくりしたのと、恥ずかしさで、声にならない悲鳴を上げた。
それに驚いたのか、リスが草むらの奥へ引っ込んで行った…
「大塚のせいで逃げられた」
「なっ!? 神崎のせいでしょ!!
い、いきなり、…キっ、キスなんて…っ」
私がそう言い返すと、神崎はしれっとした顔でこう言った。
「宣言すればいいのか?」
「え?」
「もう一回する」
「えっ!?
ちょっ、……あっ」
宣言通り、もう一回唇を塞がれた。
今度はさっきとは違う、
深いやつ……
「…んっ、
もう、神崎のばかっ!!」
やっと唇が離されて、私は恥ずかしさを隠すように大声を上げる。
「誰が馬鹿だ…」
神崎は相変わらずしれっとしている。
「ほら、そろそろ帰るぞ」
「…うん」
…建物から出ると、太陽が夕陽へと変わるところだった。
金色の光がとても綺麗で、すごくすごく幸せな気持ちで胸がいっぱいになった…。
いつもなら、
こんな時、神崎とのことを誰かに自慢しちゃおうって思う…。
だけど、
今日はなんだか誰にも言いたくないって思う…。
今日の日の出来事は、
私と神崎だけの秘密なのだ……
fin

