本当は、

マクドナルドか

漫画喫茶的な場所を見つけて、

適当に一晩

過ごすつもりでいたけれど、

景色に魅了された私は、

ここで野宿することにした。

肌寒かったし

人の気配もなかったので、

少し怖かったけれど、

仮に今晩レイプされようと、

変質者に殺されようと、

私は絶対に悔やまないと思える程

本当に景色に魅せられていた。

持っていたCDプレーヤーに

入っていたのは、

チャラのアルバムで、

1人その場に体操座りをして、

ミルクをひたすらリピートして

大声で歌いながら、

目の前の景色を眺めていた。

端からみれば、

私は飲み過ぎたか

ジャンキーの

どちらかにしか

見えなかっただろう。

そうやって

歌いながら過ごしているうちに、

恐怖心がなくなり、

心が澄んでいくのが分かった。

船なんて

得体の知れない業界を

就職先に選んだ私には、

これから

どんな世界が待ち受けているか

想像もつかなかった。

只、

私の目に入るものは

全てを見たい、

何もかもを見たいと思った。