朝の5時になって、

ようやく2人から開放された

彩と私は共に疲れていて

特に司さんに

色々と言われたらしい彩は

ストレスがたまったようだった。


仕切りなおしましょう、

そう言った彩が

連れて行ってくれたのは

ホームと呼ばれるクラブで、

朝まで散々踊って

遊んだ人達が集まる場所だ

と教えてくれた。

もちろん踊れるが、

ここには寝られるほど

大きなソファーがあって

寝ている人も多かった。

今更

踊る気にもなれない私達は

ソファーで寛ぎながら

さっきまでのストレスを

発散するかのように喋る。

私は一通り彼女の愚痴を聞いて

慰めたところで、

さっき引っかかった梢さんの

コカインの話を彩にした。

彩は、軽くため息をついて、

「やっぱジャンキーか。志保はちょっと世間知らずなところがあるから、あの人たちには近づかないほうがいいよ。あいつらは、多分それ以上に何かやばいことやって生きている人間だろうから。」

「世間知らずって、ちょっと。私、彩には言われたくないわよ。」

「何だかんだ言っても、あなたはお嬢様なのよ。」

「何よそれ?どういう意味よ?」

「そのままを言っただけよ。」

この直後

私達はナンパをされて

明らかに上流階級だという上品さで

流暢な英語で話をしてくる彼が

弁護士さんだったこと

中々のイケメンであったこと

そして明日みんなで海に泳ぎに行こう

というお誘いを受けて

2人して

有頂天になってしまったから

それ以上さっきの話題に

触れる事はなかった。

寮に帰った後

ジャンキーの意味を検索した。

Junkie=薬物中毒者

と書いてあった。

私の知らない世界を

またひとつ教わった、

と思って眠りについた。