寝ぼけながらもキッチンに入って

すぐに足の裏に妙な感触を感じて、

床を見た私は唖然とした。

「え?・・・・うそでしょ?なにこれ。」

床一面にご飯が散らばっている。

私の足の3センチ程先に、

割れた茶碗があったので、

思わず、

きゃ!

叫んでしまった。


低血圧の私は

寝起きに何かを考える事が出来ない。

とにかく注意しながら

あたりを見渡して、

1つ1つの状況を確認する。

コンロの上に、

鍋蓋

チャーハン

お玉

床には

そこら中に散らばった

かなりの量のチャーハン

割れたお茶碗の破片。

シンクの上には、

まな板

包丁

ボウル。

私の叫び声で

また起こしてしまったのだろう

いつの間にか

私の背後にいた知子さんが、

「これは、一体どういうことなの?」

と不機嫌な顔で聞いてきた。

「そうですね・・・。まずは、酔っ払って鍋を間違えて鍋蓋でチャーハンを作ったと思いますよ。それを食べようと思ってお茶碗によそうときに手が滑ってしまったのでしょうね。お茶碗を割ってしまって、チャーハンが散らばったのを、片付けずにそのまま寝たってところでしょうね。」

と、見たままの通りを

説明したのはいいけれど、

私の説明を聞きながら

みるみる表情が険しくなっていく

知子さんの顔が怖かった。 

「あの子、本当にありえないから。本当に信じられない!」

知子さんは

そう怒鳴って部屋に戻った。