自分の部屋で目が覚めた私は、

コーヒーを飲むために

キッチンへ向かった。

私が住んでいるのは

お店が用意してくれている寮

現在は

知子さん





3人で住んでいる。


この部屋に落ち着くまで大変で、

秀巳さんが

『芳子さんと一緒の部屋じゃないと嫌』

とか、

司さんが

『亜希さんと一緒の部屋がいい』

だとかで、

誰と一緒の部屋でも

構わなかった私は

2回部屋を移動させられた。

一緒に暮らすには

相性というものがあって、

気の合うルームメイトでなければ

生活が辛く苦しくなるだけだ

ということを

船の共同生活を通して

知っていた私としても

彼女たちの

お部屋移動のワガママは

決して悪いオファーではなかった。

そういう意味で、

知子さんはいつも静かだったし、

彩とは仲がいいので、

この部屋の居心地は良かった。

私にも少なからず癖があるので

2人がルームメイトとしての私を

どう思っていたか

本当のところは分からない。

只、知子さんと私は確実に今、

ひとつの大問題にぶつかっていて

それは当然、

彩の事だった。