ちょうどその時、

浩賢のお母さんが

次のカジノへ移動しようと

迎えに来たので場を離れた。

気がつけば私は

1200香港ドル儲けていた。

浩賢が、

さっきどうやって

結果が分かったのか

聞いてきたので、

サイコロの音をずっと聞いていた

と教えてあげた。

私がやっていた事は

大したことではなく

ただ

テレビ版の深夜特急を真似した

だけだった。

ビギナーズラックでも、

少し儲かって気分が良くなった。


その後大して私は儲けなかった。

梁一家の結果は無残で

浩賢を含む全員が負けたようだった。

こういう時は

一番儲けた人が

食事を奢るのがマナー。

梁一家の夜食を私が奢って

夜中にホテルに戻った。

浩賢と私は同室だった。

色っぽい事が

私たちの間で起こるわけがなく

私がシャワーを浴びて出たときには

彼は既にいびきをかいて寝ていた。

私もベッドに入った。