「Hey!! Are you having fun? Can I join you guys??」
 
亜紀さんはバイリンガルだ。

アメリカに留学していた彼女の英語は

発音が美しくて流暢で、

私のアジア訛りの英語が

恥ずかしくなる。

だからといって

負けたとは思っていない。

ここは香港だ。

どちらの英語がローカルに

通じるかといえば、

それは私の英語だった。

お店には外国人のお客さんが

来ることも時々あり、

英語担当は

亜紀さん

桜さん



広東語担当は

桜さん

芳子さん

と相場は決まっていた。

亜希さんは

英語でどんどんまくし立てては

飲み続け、

閉店時にはソファーの上に足を置き

床に倒れて

パンツ丸出し状態のまま

つぶれていた。

これがお店の日常茶飯事だ。

ここまで無様ではなかったが

私も過去何度も酔いつぶれては吐いて

時々は早退したので、

人の失態を責める立場ではなかった。