元々向島芸者をしていた彼女が
ここに流れ着いた理由は
レスリー・チャンだった。
自己紹介の時、
「レスリーが大好きで彼を追って憧れの香港にきたの」
と笑顔で話す彼女に対し
手の届かないスターに
恋焦がれる心理そのものが
全く理解できない私は、
単純に
『この人とも気が合わなさそうだな』
と思っていたが、
彩にとって大切だったであろう
その目的は、
彼女の香港生活3日目のエイプリルフールで
レスリーがマンダリンホテルから
飛び降り自殺を図って
この世を去ったことで、
あっさり絶たれることとなった。
開店前に彼女の友達がしてくれた
報告電話に対しても、
「エイプリルフールだから私をだましているだけでしょう?」
と言って、
その事を冗談だと思い受け流していた彩が、
閉店後にインターネットで
事実だったということを知った直後
泣き崩れる姿が
あまりにも不憫だったで、
私は持っていたハンカチを貸した。
スターのおっかけで香港に来る気持ちは
分からなくても、
大切な何かを失ってしまった辛さは、
私にも痛いほど理解できた。
翌日に
わざわざアルマーニの花屋で
真っ白な花束を買い、
レスリーの自殺現場にお供えをした後で、
「レスリーはね、きっと留まる事のできない、足のない鳥だったの。彼と私は似たもの同士だったの。飛んで、飛んで、飛び続けて疲れて、もう飛べなくなって、だから鳥が落ちるように逝ってしまった。」
と真っ赤な目で切なそうな表情で
そう語る彩に、
彼女の心がレスリーとは無関係の所で
しっかり病んでいる事に気がついた私は
その時はじめて
彼女と友達になれるかもしれない
そう思った。
ここに流れ着いた理由は
レスリー・チャンだった。
自己紹介の時、
「レスリーが大好きで彼を追って憧れの香港にきたの」
と笑顔で話す彼女に対し
手の届かないスターに
恋焦がれる心理そのものが
全く理解できない私は、
単純に
『この人とも気が合わなさそうだな』
と思っていたが、
彩にとって大切だったであろう
その目的は、
彼女の香港生活3日目のエイプリルフールで
レスリーがマンダリンホテルから
飛び降り自殺を図って
この世を去ったことで、
あっさり絶たれることとなった。
開店前に彼女の友達がしてくれた
報告電話に対しても、
「エイプリルフールだから私をだましているだけでしょう?」
と言って、
その事を冗談だと思い受け流していた彩が、
閉店後にインターネットで
事実だったということを知った直後
泣き崩れる姿が
あまりにも不憫だったで、
私は持っていたハンカチを貸した。
スターのおっかけで香港に来る気持ちは
分からなくても、
大切な何かを失ってしまった辛さは、
私にも痛いほど理解できた。
翌日に
わざわざアルマーニの花屋で
真っ白な花束を買い、
レスリーの自殺現場にお供えをした後で、
「レスリーはね、きっと留まる事のできない、足のない鳥だったの。彼と私は似たもの同士だったの。飛んで、飛んで、飛び続けて疲れて、もう飛べなくなって、だから鳥が落ちるように逝ってしまった。」
と真っ赤な目で切なそうな表情で
そう語る彩に、
彼女の心がレスリーとは無関係の所で
しっかり病んでいる事に気がついた私は
その時はじめて
彼女と友達になれるかもしれない
そう思った。

