乾柴烈火 Volatile affections

「あなたのような露出の高い服を着てホステスだなんて品がなさすぎるわ。まるで売春婦みたいなのよ。恥を知りなさい。」

その日の私は、

AXで購入した背中が丸見えの

少し覗けば下着まで見えそうな

確かに露出度の高いワンピースを着ていた。

わざわざ接客中に私を非難する彼女は

その発言がホステスとしての

彼女の価値を下げるという事に

気がつかない、そういう人だ。

そんな彼女に対して、

明らかにホステスに向いていない

秀巳さんが、

人生の一時的な身の置き場とはいえ

こんな形で生活をしているということを

哀れだと思った。

今からだって

もっと違う人生の選択肢もあるだろう。

私はその時、

少しだけシュンとして

素直に謝罪をして

その場をやりすごしたけれど、

それは彼女を哀れんだからではなく、

何も言い返さない方が

目の前にいるお客さんの

私に対する評価が高くなると踏んだからだ。