乾柴烈火 Volatile affections

「亜希ちゃんはいつもそう言っては、何事もやりすぎるから駄目なのよ。もっとしっかりしなさいよ。」

こうお説教をするのは秀巳さんだ。

時代は21世紀だというのに、

今時一体どこで買えるのだろうか、

1980年代もののスーツを

いつも着ている38歳の彼女が、

お店の最年長。

茶色の瞳が大きくて

鼻も高く笑顔が似合うその顔は、

間違いなく美人の部類に入る。

それでも、

これが礼儀だと言わんばかりに

自分を卑下する様や、

自分の意見だけを喋り続ける

おばさん化してしまった言動が鼻につく。

少なくとも私は、

彼女がきれいだとは思えない。

そんな秀巳さんは先日、

彼女と同席した接客中の私に

こう言った。