涙をぼとぼと落としながら、

アパートへの道を一人歩いた。


ビジネス

というのは本当に生易しくない。

数字がだせなかったのも

拠点の利益を上げられなかったのも

私だ。

会社に貢献できなくて

支えてくれたみんなにまで

散々迷惑をかけてきた。

明日から自由していいよ

と言われる事は、

垂れ流したうんこを

処理してもらう事だ。

本当に恥だ。

そう思ったら

あまりの情けなさに更に泣けた。

マネージャー代わりとして

一つの拠点を任されてから

週末は倒れたように寝るだけ。

外に出る気力さえおきなかった。

家事も自炊もできなくなって、

ひたすらコンビニのご飯を食べて、

毎日栄養ドリンクを2本、3本と飲んで

無理やりタクシーに乗って

何とか職場に出勤していた私は、

誰の目からみてもおかしかったはずだ。

上昇志向はあっても

人の上に立てるタイプではない事も、

これまでの社会経験で

私ができない人間だという事も、

誰よりも充分に理解していたのに

また失敗をやらかした。

二度と解雇にだけはされたくなかった

空回りでも背伸びでも、

無理してでも

激やせしても

彼氏に振られたって、

頑張ってきたはずなのに。

改めて自分の実力のなさと、

日本に限らず、どこの社会でも

フィットしてくれない私自身に

もう本気でGive upしたいと思いながら

子供みたいにびえびえと

一通り泣きじゃくった後

携帯電話を開いて

『本当にクビになった。』

そうメールを入れた。