乾柴烈火 Volatile affections

「それくらい分かっているわよ。だけど気になっちゃうと止められないのよ、どうしても」

亜希さんには、

そういう自虐的な一面がある。

彼女が先週はまったのは、

足の裏。

お隣の深圳市で

中国式リフレクソロジーを

体験した亜希さんは、

かかとの角質を刀で削ってもらったことに

感動したからといっては

今日の舌と同じ様に、

足の角質を削りすぎた。

歩けない、

そう涙目になりながら

血の滲む踵を

引きずるように歩いていた姿は

私の目に焼き付いたままだ。

今日の舌といい

痛々しい、

なんて言葉で表現できる範囲を

とうに超えている。







どこから見ても異常だ。