彼の部屋でセックスをした後

タバコを吸っていた私に、

「志保、セックスはね、エナジーの交換だからいい加減にしちゃいけないよ。ちゃんと相手を選んで。」

と言い始めたので、

それを抱いた後で言うなよと思いつつ

話を聞いた。

「それ、どういう意味?」

「セックスは、お互いのオーラを交流させて、お互いが元気になるためのものだっていうことだよ。そういうセックスじゃなきゃ、する意味がないでしょう?」

「私には、わかんないよ。」

「どうして、そんな事言うの?」

「だって、私は言い逃れのできないBitchでしょう?あなたはTommyの事だって、私が何をしてきたかを知ってるくせに。私にたくさん男がいる事だって、もう分かっているでしょう?付き合い長いんだから、私が薄情で酷い女じゃないなんて、言わせないわよ。」

「付き合いが長いから分かるの。志保はTommyを死ぬほど愛しすぎただけなの。志保はもてるし、それを相手にしてしまうのは志保が優しすぎるからなの。そうやってあなたは、傷ついて人の孤独を吸いながら生きているの。俺が本気で志保を心配している事をそろそろ分かってよ。頼むから幸せになってよ」

「今更なれるわけがないでしょう?」

「なれるよ、志保なら。」

「何を以って?」

「志保が魅力的だから。あなたはいつだって、僕の心をこうやって簡単に攫うでしょう?」

「相変わらず、言う事が上手すぎるね。」

「本当の事でしょ。だから俺はいつまで経っても志保から卒業できずにこういう関係を続ける。違う?志保は不器用で繊細で必死に生きて、それがあまりにも美しすぎて、儚すぎる。だから頼むから幸せになって。幸せになれないのなら、俺が助けてあげるから、もう俺の傍にいてよ。」

そう言って彼が泣き出すので

何だか私も泣けてきて、

そのまま彼の厚い胸板に寄り添うように

頭をのせて、

抱きしめあいながら眠った。