「亜紀、あんたいい加減にしなさいよ。」

「あんたこそ私の事を何にも分かってない!私にはあの薬がなければあかんのよ!」

そして、

明日から広州に行くの

薬の保管倉庫に通って

全部のダンボールを開けて

中身を一つ一つ確認する。

だって製造番号を見れば

私は薬を見つけ出す事ができる。

あの薬がないのなら

私には生きる価値なんてない

と言って泣き喚いた。

司さんが本気で殴りかかろうとした時

間髪いれず止めに入ったのは

桜さんだった。

「司、今日はここまでにしよう。」

この一言で、

全てが片付くのだから

この人は本当に凄い。

そうして情緒不安定の亜紀さんは

愛人である常連さんが連れて帰る事になった。

2人をエレベーターホールまで見送って

お店に戻ると、

司さんが、

「どうしてあの子は命を大切にできないの?」

と言いながら泣き崩れていて

それを桜さんがなぐさめていた。