昨日まで日本に帰国していた芳子さんと

久しぶりに同席で接客をしていた。

決してお酒に呑まれる事のない芳子さんが

珍しく酔っ払っていて饒舌だったから

ママの言うとおり

芳子さんは酔っ払ったほうが色っぽいなぁ

と思いながら話を聞いていた。

芳子さんは

広東語が流暢で

ものすごく細くて

美しい。

あの桜さんとお店のトップをはれる程だ。

彼女は

チャイナドレスを毎日着る。

どのドレスも本当によく似合っていて

きれい。

あまりにもきれいなので

オーダーする店を聞いたら、

それはマカオのお店で、

布地は別ルートで調達していて、

身丈はセンチ単位で

厳しく細かく指示を出している

とのことだった。

広東語が流暢でなければ

到底無理な芸当で、

自分の身体を知り尽くしていないと

出せない注文だ。

だから私は、

お店にチャイナドレスで来る事はない。



彼女と同じ土俵では

私は絶対に勝てないからだった。