「もう我慢できない!」

知子さんがいなくなってから

彩の散らかし癖は更に悪化していた。

掃除しても

掃除しても

全然片付かない。

目の前に広がる

部屋の惨状を目の当りにして

我慢しきれなくなった私は

その日は1日中

延々と掃除をし続けた。


プールで泳いで帰ってきた彩は

私が凄まじい形相で掃除をしているのに

びっくりしたらしく、

志保ちゃん大丈夫ですかぁ?

と聞いてくる。

私は掃除に夢中になりすぎて

あまり返事をせず延々と掃除を続ける。

8割くらい片付いてきた頃、

彩が子供みたいに、

やだー。全部片付けちゃいやだー。

と騒ぎはじめて、

金魚の糞みたいについてきては

邪魔をしてきたけれど、

とにかく徹底的に片付けたかった私は、

うるさい!

と応戦しながら

手を休めずに掃除し続けた。