「何してる?」 俺はそんな馬鹿げた気持ちを隠す為にいつも以上に鋭い声をだした。 「何もしてない」 目の前でコンクリートにぺたんと座り込んだ彼女は鼻声で言った。 何があったんだ? 何でこんなに泣けるんだ? 俺にはこの女が不思議に思えた。 そして興味を持った。 「その傷は」 俺は綺麗な細くて白い腕に沢山の切り傷があることに気付いた。 まだ新しい傷から治りかけた古い傷まで。 聞かなくても分かる、自殺未遂の跡だ。